シドニーで、ソーイングを楽しんでいる陽子です♪
さて、ロールペンケースが大好きで、たくさん作りましたが・・・。やっと自分が満足できるロールペンケースが出来上がて、本当にうれしくて!!
さっそく、Facebookに写真を載せてみたら・・・。
独身時代にカナダ留学していた頃、一緒に学んだ仲間である日本人男性『東海林たかゆきさん』(ニックネームは、『たか』)から、連絡をもらいました。
そして、万年筆が大好きでたまらない「たか」への、「万年筆5本を持ち歩くのが楽しくなるペンケース」を作りました!
「たか」がFacebookで紹介してくれました〜♪
こうやって、自分のアイディアで作ったモノを、人に使ってもらい喜ばれるのが、うれしい瞬間です。
作品の詳細写真です
↑巻いたところ。
↑ペンケースの、ヒモ部分のアップ。
↑ペンケースからペンを取り出す際、まずヒモをほどきます。
↑そして、フタを開けます。
↑ペンケースを後ろから見たところ。
「たか」のペンケースを、デザインするプロセスです
「たか」が気にいるモノを作りたくて、ペンケースを作る前に、彼の好きなモノをリサーチしました。
たかが、実際に使ってる万年筆の写真です。
確か、一番上のブルーの万年筆はプラチナ万年筆だったかな。
『#3776 CENTURY』の新発売を記念して発売された、限定万年筆「富士五湖シリーズ」だったと思う。
「富士五湖シリーズ」です:
http://www.platinum-pen.co.jp/fountainpen_century_kawaguchi.html2年間使わなくてもペン先が乾かない「スリップシール機構」が搭載されてるそう。
すごいね、これ!インク、乾かないのー?2年間も!2年間、一度も使わなくても、いつでもすぐに書き出せるの?!
ビフォー:「たか」が万年筆4本を持ち歩いていたペンケースの問題点
写真を見て、たかが、どんなことで困っているのかが、よくわかりました。
このケースは、水彩画筆を持ち運ぶための物だそう。確かに、長い筆がスムーズに入るように、筆を入れるポケットは、縦に長くできています。
水彩画の筆の先が、持ち運んでいる時に折れ曲がったりしないように、革製のふたもついてます。
でも、万年筆を入れて使おうとすると、使いにくい点があります:
●素材がゴワゴワで硬い。布地はキャンバス製、ヒモは革製です。水彩画の筆を持ち運ぶ時に折れないための工夫だと思うけど、万年筆を取り出したり、しまったりする時、素材が硬くて使いにくそうです。
●ポケットの長さが、縦に長すぎ。万年筆を入れると、ポケットの底に、布が余ってます。右2本の万年筆は、万年筆をいちいち引っ張り上げないと、どの色の万年筆かが、ぱっと見で分かりません。
●キャップにかぶせるフタの長さが、短すぎ。フタをかぶせても、万年筆のキャップの金属部分が、全て隠れません。万年筆同士がこすれて、傷がつく可能性あり。
●ポケットの幅が広すぎ。隣に入れた万年筆同士がこすれて、傷がつく可能性あり。
これらの既存の問題点を改善すれば、もっと使いやすいペンケースができるはず!
たかの「万年筆用ロールペンケース」のアイディアを提案
万年筆のデザインを見る限り、「たか」は、「チャラい」デザインは好みではなさそうです。品質が良い商品が好きで、デザインは渋好みだなと感じました。
水彩画の筆用のペンケースも、決して派手なデザインではありません。
たかの好きなもの、いろいろ想像してみて、私が前回作った「家紋柄の道具入れ」のデザインなら、気に入ってもらえそうな気がしました:
↓詳細は、こちら:
↑上のリンクを見た「たか」も、うれしそうでした。
たかの、ペンケースに対する要望を聞く
たかが、「心から欲しい」と思うペンケースの要望の、詳細を聞いてみました:
●ヒモで巻いて使う、ロールペンケースが欲しい。
●自分の大好きな万年筆5本を、絶えず持ち歩けるペンケースが欲しい。
●大事な万年筆に、傷がつかないペンケースが欲しい。
●予備のインクカートリッジ数本が入る、収納ポケットがあるとうれしい。
たかの要望をくみ取り、「私が自分用に作った、家紋柄の道具入れ」を、「たかの、万年筆用のサイズに合うようサイズ」に、カスタマイズすることになりました。
また、布地の、色や柄の組み合わせは、「たか」の好きな色を選んでもらうことにしました。
手順1:たかに、「外側の布地の柄」を選んでもらう
↑私が持っていた「和柄風な布地」の中から、たかが、「ピン💡」とくるモノを選んでもらいました。
●参考までに、「家紋柄の意味」をまとめたリンクも見てもらいました:
https://yokokawabata.com/category/japanese-design/たかの好みの外側の布地は、「昭和モダン柄(黒)」でした。
手順2:「裏地の色」を選んでもらう。
今度は、その布地に合いそうな「裏地の色」を提案し、「ピン💡」とくる色を選んでもらいました。
裏地は、「赤紫色が好き」という、たか。
手順3:巻くヒモの色を選んでもらう
↑次は、ヒモの色を選んでもらうことに。ヒモの色の選択肢は、6種類。
手順4:ペンケースを開いた時に見える、色の組み合わせ
↑たかに、色を選んでもらいやすいように、まずは、ペンケースを開いた時の感じを見てもらいました。
手順5:外側の布地に巻いた時の、色の組み合わせ
↑「ペンケースにペンを入れて持ち運ぶ時」の雰囲気が分かるような写真も、見てもらいました。
その結果、たかは、マスタード色のヒモが気に入ったそう。
手順6:たかの万年筆に合う、ポケットの長さ・幅を決める
↑たかの万年筆の「縦の長さ」、「直径の太さ」をウエブサイトでリサーチ。
そして、そのサイズと同じ「万年筆の模型」を、数本作りました。たかの万年筆と同じ長さになるように紙を切り、それを丸めて同じ太さの直径にします。
この「万年筆模型」が、ペンケースのポケットから、スムーズに出し入れできるように作るのです。
手順7:出来上がり
そうして、出来上がったのが、冒頭でも紹介した、こちらのロールペンケースです!
たかに、とても喜んでもらえて、私も、うれしくなりました♪
「ロールペンケースを手作りする」シリーズを、全記事読むなら・・
もともとは、「デザイン学校で使う、細々とした文房具を持ち歩くのに便利なペンケースを作りたい」という好奇心から作り始めました。
でも、市販のペンケースを見て回っても、気にいるものがなかったので、自分で手作りすることにしました。
本当に気に入るものを作りたくて、試作品を作った後、自分で実際に使ってます。そして、「不便だな」と思うところは、納得が行くまで、何度も改善をしました。
この、「ロールペンケースを手作りする」シリーズは、「ロールペンケースのアイディアを練る」ところから始まります。
最終的には、日本に住んでるお友達「タカ」くんから、「万年筆5本と、予備の万年筆カートリッジ数本が入るロールペンケースを作って欲しい」と、注文をもらい、受注制作させてもらいました。
http://yokokawabata.com/rolled-pen1/
http://yokokawabata.com/rolled-pen2/
http://yokokawabata.com/rolled-pen3/
↑上の「道具入れ」は、
↓下のような「家紋柄の切り紙」を作るときに使います:
http://yokokawabata.com/paper-cutout1/
http://yokokawabata.com/rolled-pen4/
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