「なぜ無料?」と思いました?
なぜかというと、City of Melbourne Libraryが、オーガナイズしているからです。(こういうワークショップを、ライブラリーが提供するって、すごいなぁ〜!)
場所は、メルボルンCarlton地区の「Kathleen Syme Library and Community Centre」で開かれました。
ワークショップは、パワーポイントを使いながらの座学の説明でした。
ワークショップは4回シリーズです。毎回、異なるゲストスピーカーが来てくれます。4回全部通しで参加する必要はなく、自分が参加したい回だけ、参加すれば大丈夫です。
今回、私が参加したのは2回目のワークショップ。内容は「ハンドメイド作品を販売する方法」についてでした。
このあと、残り2回分の無料ワークショップがあります。まだ空席があれば、今からでも登録できるので、詳細はこの記事の最後にまとめておきますね。
ワークショップ「ハンドメイド作品を販売する方法」のファシリテーターの体験談
今回のワークショップのファシリテーターの女性「Deeさん」は、その昔、腰と膝を痛めてしまったそう。その為、それまでの仕事を続けるのが難しくなり、どうしたら良いかと考えた末、自宅でハンドメイド作品を作って、販売することを思いついたそう。
(災い転じて福となすとは、こういうことですね・・・一見、最悪な状況に見えても、その痛みを経験することがなければ、ハンドメイド作品を作って販売するという体験もしてなかったかもしれないのだから・・・)
Deeさんがハンドメイド作品を販売し始めた当初は、ベビー服・子供服を手作りして、マーケットで販売していたそう。でも彼女自身は、子供もいなかったし、「なんか違うなぁ・・・」という感じだったそう。
その後、ハンドメイド作品をマーケットで売る活動や、ボランティアでイベントのオーガナイズするお手伝いをしてるうちに、「実は私、マーケットをオーガナイズするの、すごく得意かも?!」と、新たな才能に気づいたそう。
ワークショップでは、ご自身のハンドメイド作品の販売体験を交えながら、「こうしたら良い」「これはしない方が良い」という秘訣を惜しみなく教えてくれました。
オンライン販売と、実店舗での販売について、オーガナイザー自身が使ってみて、良かったものを教えてくれたので、シェアしますね。
オンライン販売なら、この3つがオススメ!
これからオンライン販売を試したい人なら、まずは、「Big Cartel」、「Etsy」、「Made It」を試してみて欲しいそう。
それぞれ長所・短所があるので、自分に向いた媒体を知るために、まずは、この3つで実際に試してみることが大事なのです。
Big Cartelについて
これは、超有名です。やってる人を、よく聞きます。
●長所1:5商品までなら、無料で掲載できる。
●長所2:Facebookやインスタグラムとの相性が良く、シェアしやすい。
●短所:友人・知り合いに販売するなら簡単。でも、見知らぬ人が検索して注文してくれることは、あまり期待できない。
Etsyについて
Etsyも、ハンドメイド商品をオンライン販売する人の間では有名なサイトです。オーストラリア国内だけじゃなく、日本や世界各地へのオーダーも対応してます。
●長所1:友人・知り合い以外の。見知らぬ人からも検索して注文してもらえる。
●長所2:「40商品の出品料が無料になる方法」を使えば、リスクなしで、まずショップをオープンできる。
お得情報 Etsyショップのアカウントを持ってない人は、40商品分の出品料が無料になる方法を読んでからやるとお得です:
●短所:出品してる人の数・商品数が多くて、埋れてしまいやすい。
●お店での販売なら、 incube8r、Makers Marketなどがオススメだそう。
Made Itについて
Etsyの「オーストラリア版」みたいな感じです。
とりあえず、「3つも一度にできないよ〜」という方なら、「Big Cartel」と「Etsy」だけでもスタートしてみると良いそう。
オンライン販売する時に、お客さんに喜ばれるアイディア
通販の時は、パッケージがすごく大事だそう。
商品が届いて、開ける時のワクワク感をつぶさないために、やわらかいTissue paparなどに素敵に包んで送ると良いです。
マーケット販売なら、ここがオススメ!
Deeさんから、「メルボルンで、これからハンドメイド作品を売ってみたい方」にオススメなマーケットを教えてもらいました。
Wild About Melbourneについて
マーケット「Wild About Melbourne」は、今回のワークショップのファシリテーターさんが、オーガナイズしているハンドメイド作家のためのマーケットです。
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The Make It Collectiveについて
Northcote地区で開かれるマーケットです。
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●私個人的には、Northcoteは大好きな場所。オーガニックショップ「Terra Madre」もあります。ここは食品だけじゃなく、いろんな生活用品をBulk販売してます。広い店内に、ありとあらゆるオーガニック商品が並び、Bulk販売してるので、値段も安いのです:
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The Brunswick Artist Marketについて
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The Rose Street Artist’s Marketについて
Fitzroy地区の、ハンドメイド作品用マーケットです。ここは、人気のあるマーケットなので、出店するための競争率が、かなり高いようです。
今回のワークショップに参加していた男性も、「一度Applyしてみたけど、選考で落ちて参加できなかった」と。
Deeさんによると、知り合いのハンドメイド作家さんも、最初は選考で落ち続けたけど、何度かApplyしたのちに出店できたそう。Deeさんは、「初めてマーケット出店するならば、他の参加しやすいマーケットで実践を積んで、腕をあげてから挑戦した方が良いと思う」とアドバイスをくれましたよ。
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incube8rについて
マーケットではないけど、四角い箱状のスペースを借りて、そこで作品を販売する形態のお店です。
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マーケットで販売する時に役立つアイディアやコツ
FacebookやInstagramで告知する
マーケット出店日や、イベント開催日を、お知らせすることは、本当に大事だそう。
その際に、#(ハッシュタグ)を有効的に使うことをお勧めしてました。
商品の価格を決めるとき
ハンドメイド商品の価格を決めるのは、誰でも悩むもの。Deeさん曰く、「ちまたには、いわゆる計算方法というのはあるけどね・・・」
参考までに、その計算方法というのは、こちら:
(1)原材料費+所要時間=商品を作るためのコスト。
(2)商品を作るためのコスト x 利益幅(2.0 – 2.5の間、またはそれ以上)=商品卸価格。
(3)商品卸価格 x 利益幅=小売店販売価格
上の計算方法を使って、例えば、手作りイヤリングの値段を決めるとすると・・・。
●制作にかかる所要時間:1組のイヤリングを作るために15分かかる。
●時給は、AU$20とする。
●1時間に4組のイヤリングを作れる。
●(AU$20の時給)÷(イヤリング4組)=AU$5(1組のイヤリングを作るためにかかる時間的コスト)
●AU$5 + (イヤリングを作るために使うビーズやパーツのコスト= AU$0.85) = AU$5.85(1組のイヤリングを作るためにかかる金銭的コスト+時間的コスト)
●$5.85 x 2.5(利益幅) = $14.60 (商品卸価格)
●$14.60 x 2.5 (利益幅)= $36.50 (小売店販売価格)
・・・という感じで、一般的な計算方法を使うと、1組のイヤリングは$36.50が適切な販売価格となります。
でもっ!
Deeさんは、この計算方法は使わないそう。商品の値段は、ハンドメイドする品物の種類にもよるし、使う材料の種類によっても変わるから、全てのハンドメイド作品の値段を同じ公式を使って計算するのは無理があると言います。
商品の値段をつけるのは難しいことだけど、大事なことは、「自分を安売りしない」ことだと、何度も何度も念を押して説明されてました。
お客さんが実際に体験できるサンプル品を用意する
マーケットで商品を販売する時、例えば食べ物類の販売なら、試食用に小さくカットして、お皿に並べ、お客さんに実際に食べてもらうと良いそう。
(私も、スーパーで試食品販売マネキンのバイトをした経験がありますが、試食用の食べ物・飲み物を実際に口にしておいしいと思われたお客さんは、必ず1つは買っていってくれました)
手作りキャンドルを販売するなら、お客さんが実際に香りをかぐことが出来る工夫をすると良いそう。
手作りジュエリーや洋服を販売するなら、販売者が実際に身につける工夫をすると良いよう。テーブルの上に並んでいるだけより、素敵にカラーコーディネイトされたジュエリーや洋服を、販売者自身がモデルとなって、オシャレな雰囲気を見てもらったほうが、作品の魅力がお客さんにも伝わりやすいのですね。
ビジネスカードをプライスタグとして使う
商品を買ったお客さんが、また別の商品を欲しくなったときに、すぐ連絡先がわかるように、必要な情報がまとまって書かれてるビジネスカードの準備は必須です。
そのビジネスカードをプライスタグ代わりにして、商品と共にお客さんに渡るようにすると良いのだそう。
商品を袋に入れて渡すなら、袋の中にビジネスカードを1枚入れて置いてあげると、お客さんにも親切。
ギフト用として購入するお客さんもいるだろうから、値段はビジネスカードの隅に、鉛筆で書くのだそう。ギフトとして友人などに渡す前に、消しゴムで値段を消せるための心配りですね。
「商品の特殊なお手入れの仕方」をビジネスカードに載せておくのもオススメだそう。ギフトとしてもらったお客さんにも親切そうです。
ハンコを作ってもらう
Deeさんが、「メルボルンにオススメのハンコショップがある」と言ってました。
自分で手書きで描いたイラストや、パソコンで作ったイラストなんかも、ハンコにしてもらうことが可能だそう。
Deeさんは、自分のブランド名と、ブランドロゴが入った大きなスタンプを見せてくれました。名刺大ぐらいの大きなスタンプは、がっしりと丈夫そうで、本当に高品質な感じでした。丈夫で長持ちする、良いスタンプだそう。
スタンプの使い方は:
●商品を買ってくれたお客さんに、ちょっとした紙袋に入れてお渡しする時、あらかじめ紙袋にスタンプしておくのもよし。
●スタンプを押して、名刺を作るのもよし。
●商品タグを、スタンプを押して作るのもよし。
印刷されたものもいいけど、ハンコも味があって素敵かも。この素晴らしいハンコ、こちらからオーダーできます:
ウエブはこちら→https://dialastamp.com.au
マーケット出店の時に着る洋服
例えば、和風の小物を販売するなら、着物を着て販売するとかね。
お客さんがワクワクして注目してくれるような、洋服を着ることも大事だそう。
ディスプレイ用品
必ずしも高いディスプレイ用品を買う必要はないそう。むしろ、お金を出すより、工夫してアイディアを出すことの方が大事だと。
家にあるもので、ディスプレイに使えそうなものを探したり・・・。VinniesやSalvoなどのリサイクルショップで、掘り出し物を見つけたりするのもいいと。
マーケット出店中に食べれるスナック類を持参
お店が忙しいと、小腹が空いても、なかなかランチを買いに行けなかったりします。その時に備えて、あらかじめ、りんご、サンドイッチ、ネッツ類など、すぐにつまめるものは重宝するよう。
お釣りの準備
お客さんから大きなお札をもらっても、お釣りが渡せるように準備しておくのは大事。そんな時、「えー!?$100札は困る〜!お釣りないしー!」と言ってたら、お客さんも「めんどくさいな。もういいよ」ってことになり兼ねません。
PayPal Readerまたは、Square Readerの準備
ひと昔前なら、マーケットに行くお客さんは、あらかじめ現金を持ち歩いてたりしました。
でも、最近の統計によると(特に、現金を持ち歩く習慣がないオーストラリアの若者層は)、マーケットで現金でお買い物をしたお客さんの割合が、半分以下のところも増えてきてるそう。
一般の小売店で使われているATMマシーンと比べると、「PayPal Reader」や、「Square Reader」は手数料も安めでオススメだそう。
カスタムオーダーを受けるかどうか?
カスタムオーダーの種類にもよりますが・・・。
これまでに自分が何度も作り慣れた作品を、「同じ形」で、「色違い」で作って欲しいというオーダーなら、簡単です。
でも、もっと複雑なカスタムオーダーもあります。私がメルボルンの、あるマーケットで、和柄の布で作ったトートバッグとファスナー付き小物ポーチを販売していたときのことですが・・・。
ある日本人女性から、「わぁ〜!こういう和柄の布、好きです!! 実は私、尺八を演奏するんですが、こういう和柄の布で、私の尺八がぴったり入るケースを作ってもらえませんか?」という質問を受けました。
話をよく聞いてみると、今現在、尺八を外に持ち歩く時、傷がついたり破損したら困るので、とりあえずダイソーで買ったプラスチックの筒状のケースに入れて運んでいるそう。でも、ケースの中でカランコロンと転がるので心配だそう。布製ケースなら、カランコロンしなくて、いいかなと思ったそう。
どうやら、いろんな店やネットで調べているけど、彼女の尺八のサイズに、ぴったり入るケースが見つからないそうです。
こういうカスタムオーダーって、本当に1からデザインする必要があります。
- お客さんの好きな布の柄・色を選んでもらったり・・・
- 尺八の長さ、太さにぴったり合うサイズを考えたり・・・
- 大事な尺八が破損しないような強度を考慮したり・・・
- 尺八をケースから出し入れする時に、どんな形状が一番スムーズなのか工夫したり・・・
- 外に持ち運びする時に、ショルダーストラップみたいなのがついてた方が良いのかを考えたり・・・
こうやって、本当に良いものを作ろうと思えば思うほど、「新商品の開発」の域に達してしまうんですが。
Deeさんによると、
カスタムオーダーを打診してくるお客さんは、リピーター客になってくれるチャンスが大きいので、積極的に受けたほうが良い。
・・・のだそう。
とは言え、カスタムオーダーって、結構大変なので、受ける時に注意をした方が良いことがあります:
(1)Deeさんは、カスタムオーダーを受ける際、「商品価格+プラス20%の値段です」と言うそうです。既存のテンプレートが使えないとなると、1からデザインし直さないといけなくて、すごく時間もかかります。だから「プラス20%」の料金になります。
(2)カスタムオーダーの商品を作り始める前に、まずは、お客さんからDeposit(前金)をもらいます。途中でお客さんの氣が変わって、「やっぱり、もう要らないです」と言われないためですね。
Deeさんによると、1からデザインする複雑なカスタムオーダーは、膨大な時間・労力もかかるし、嫌なら無理してオーダー受ける必要はないと言います。
ただ、そういう風に苦労して、本当に良いものがデザイン出来た場合、他の誰かも欲しがっている可能性があり、人気の新商品になり得るそうです。
ワークショップに参加したい人は、ここから応募!
今回、私が参加した、この無料ワークショップは、4回シリーズの第2回目でした。
4回分を全部通しで参加する必要はありません。最初の2回分に参加しなかった方でも、残りあと2回分、まだ参加できますよ〜。
第3回目のワークショップ:2018年8月8日(水)6pmー8pm
ワークショップ名:Marketing your craft business
ファシリテーター:Elle-May Michaelさん(ショップ「incube8r」より)
ワークショップ内容: How do you let potential customers know about your creations once you’ve got them out into the world? Join Elle-May Michael of incube8r for an overview of marketing your wares using social media and online platforms to your best advantage.
予約はこちら→ https://www.melbourne.vic.gov.au/community/libraries/whats-on/pages/marketing-your-craft-business.aspx
第4回目のワークショップ:2018年8月22日(水)6pmー8pm
ワークショップ名:Panel conversation: success in craft business
ワークショップ内容: A panel discussion with some successful crafters. Join Elle-May Michael (incube8r), illustrator and crafter Hanna Mancini (aka Hannakin) and artist and jewellery designer Tasha J Miller (Jubly-Umph) as they discuss their successes and mistakes, hot tips, and other ins and outs of running a craft business.
予約はこちら→ https://www.melbourne.vic.gov.au/community/libraries/whats-on/pages/panel-conversation-success-in-craft-business.aspx
ハンドメイド作品を売る方法:まとめ
今回のワークショップのファシリテーター「Deeさん」によると・・・
「ハンドメイド作品」と一言でいっても、作る人・モノ・価格が違えば、販売に適した場所・お客さんの層も変わるので、「誰でもみんな、ここで売れば大丈夫!」というゴールデンルールはないそう。
こればっかりは、個人個人の作家さんが、実際に行動して、「自分にとっては、ここが一番売れる場所」、「自分のお客さんには、これが一番人気のあるモノ」というのを、試行錯誤しながら見つけていくしかないそうです。
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