最近読んだ本で、すごく良い本があったので、ご紹介させてください。
江上剛(えがみごう)さんの著書「家電の神様」です。
江上剛さんの写真です:
本のあらすじは・・・
大手家電メーカーをリストラされた、主人公男性「轟雷太」が、実家の母が経営する店を継ぐ決意をします。
その店は、昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。でも、近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯というお話。
「近所の大手家電量販店」は、商品数の豊富さと、大安売りで、「街の電器屋さん」を、窮地に追い込んでいきます。
大手ショップと、個人経営の小さなショップの価格競争
「街の電器屋さん」は、「このままでは、店が潰れる!」と恐怖に陥ります。
「大手家電量販店」よりも安い価格で、より多くのお客さんを呼び込み、価格で競争しようとします。
でも、商品が売れれば売れるほど、赤字になります。
そして、「街の電器屋さん」は、価格競争では、大手家電量販店には勝てないことを、失敗から学びます。
白いヒゲの「家電の神様」登場!
そんな時に、白いヒゲの老人《家電の神様》が現れ、「街の電器屋さん」にアドバイス。
そして、「街の電器屋さん」は、「自分達にないもの」で対抗するのではダメだと実感。
そして、「地域密着型の、街の電器屋さんならではの強み」を活かすアイディアを思いつき、行動にうつしていきます。
するとお客さんにも喜ばれ、街の電器屋さんは、どんどん勢いを盛り返していきます。物語の最後は、あっと驚くどんでん返しで、「そう来たか!?」という感じでした。
いろんなアイディアの中で、私の心に響いた部分を抜粋
1:非効率なことこそ、付加価値
本の中で・・・
「大手家電量販店」は、効率をあげ、商品をどこよりも安く売ることで、お客様に喜んでもらい利益をあげようとします。
それに対して、
「街の電器屋さん」は、地域に密着してるという長所を活かし、「非効率なこと」を付加価値として重視します。
長年の付き合いのある、年老いた顧客の家に寄る前に、スーパーでカレーの食材を購入し、顧客の家でカレーを作ったり。
留守宅の顧客から頼まれた、犬の餌をやったり。
雨戸の修理。庭木の水やりなども。
2:無駄を目標にする会社
「大手家電量販店」は、徹底的に無駄を排除し、効率をあげようとします。
「街の電器屋さん」は、お店に来た顧客に、とびっきり美味しいコーヒーを差し上げます。顧客と、ゆっくりとコーヒーを飲みながら、お客さんが本当に困ってることを聞き取ります。
掃除用ロボットを見に来た老人女性は、「高性能で、少しでも安い掃除用ロボット」を欲しいわけではなく・・・。
実は、「一人暮らしでさみしいから、掃除用ロボットの上に可愛いぬいぐるみを乗せて走らせたら、少しでも寂しさが和らぐのでは」と思って、店に来ていたという・・。「街の電器屋さん」の店員は、顧客の隠れた要望を聞き取り、その要望に合う掃除用ロボットをオススメします。
3:持ち味を見つけ、伸ばし、発揮する
白いヒゲの家電の神様が現れ、「街の電器屋さん」に、こうアドバイスします:
「大手家電量販店」の真似をするのが悪いわけではないけど、地域に密着した「街の電器屋さん」には、自分たちにしかない持ち味があり、それを伸ばし、発揮するのが大事だ」
これって、私たち、一人一人の性格・個性も同じことですね。私たちも、それぞれ長所・短所があります。明るくて社交的で初対面の人ばかりのパーティーでも華やかに立ち回れる人もいれば・・・。逆に、本当に親しい数人の親友と、親身になって深く付き合うのが得意な人もいれば・・・。自分にないものを持った人に嫉妬したり、無い物ねだりをするより、自分の持ち味を伸ばす方が簡単だし、魅力的かも。
4:氣づきのサービス
この「大手家電量販店」VS「街の電器屋さん」の構図が、まるで、「ダイソー(またはユニクロやZARA)」VS「ハンドメイド作品を作る私」と重なって、すごーく目からウロコでした。
例えば、ダイソーやユニクロには、中国やカンボジアで安く大量生産された商品がたくさんあるじゃないですか? ダイソーに行けば、たったのAU$2.80で、和柄でかわいいペンケースや、トートバッグ、小物ポーチなども買えてしまう。ユニクロでも「ええー!こんな安い値段で、こんな凝ったデザインのワンピースが買えちゃうの?! 私が自分の大好きなリネン素材で同じような洋服を作ったら、材料費だけでこの商品金額をオーバーしちゃうんだけど〜!」と驚きです。
そして、「巨人のダイソーやユニクロ」と、「ありんこの私」を比べて、「私がハンドメイド作品を作って、売る意味あるんかな?」と思い悩んだことがあります。何度も。
どう考えても、ダイソーやユニクロと値段で勝負したら負ける。ダイソーやユニクロは布を大量に仕入れて、原価を安くできる。中国やカンボジアなど、人件費が安い国で大量に作ってるから、販売価格も安くできる。しかも、結構な高品質だし・・・。そんな巨人の安売り競争と張り合っても、一人でコツコツものづくりしてる私に、勝ち目はありません。
江上剛さんの著書「家電の神様」は、家電を売る話ですが、「巨大な大手家電量販店」と「個人経営のこじんまりとした、街の電器屋さん」の構図を、「ダイソーやユニクロなどの巨大企業」と「ハンドメイド作家」という感じで、自分の例に置き換えて読むと、学べることがたくさんあります。
もし「ピン!」ときたら、読んでみて欲しいな♪
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