メルボルンで手織りしてます。
私、自分に一番合った手織り機が欲しくて、かなりたくさんのお金と時間をかけて、いろんな手織り機を試しました。
今のところ、私が一番好きな手織り機はClover(クロバー)咲きおり(40cm)30羽セットです。
その理由は、この記事で読めます:
「咲きおり」で、もっと早く手織りする道具?
「SAORI」機の整経は複雑でノロくて嫌い・・・。そして「咲きおり」の整経は早くて簡単で好き。
「SAORI」機の早く織れるスピードは好き。でも「咲きおり」のノロノロ運転の織るスピードは嫌い・・・。
なんとかして、両者の「いいとこ取り」できないもんか?
そして思い出したのが、SAORI教室で使っていたボートシャトル 。あれが恋しい。あれがあると、早く織れるから。
というわけで、どんなボートシャトル だったら、「咲きおり」に使えるのかをリサーチしました。
【商品1】シャクトスピンドル社の「エンドフィードシャトル」(Schacht End Feed Shuttle)のサイズ
正確にいうと、これはボートシャトル ではありません。ボートシャトル の糸は、シャトルの長い面の真ん中あたりから出てきます。ボートシャトル は、ちょっと引っ張っただけで、スルスルと際限なく糸が出てきます。
でも、エンドフィードシャトルは、写真左下の隙間から糸が出てきます。この隙間部分の幅を調節することによって、適度な引っ張り具合で糸が出てくるようになるらしい。
そのため、手織りの布の両端が「ボコボコ」せずに綺麗に織れるらしい。布の両端を手でいじる必要性がなくなるので、早く織れるらしい。
実際にシャクトスピンドル社の「エンドフィードシャトル」(Schacht End Feed Shuttle)を使って手織りしてる動画を見つけました。この女性の手織りのスピード、確かにめちゃめちゃ早い!!
ネットの英語レビューを読むと、
ボートシャトル と比べると、値段は高めだけど、織物の両端が綺麗に出来上がるのですごく良い。
もうボートシャトル には戻れない。
なんでもっと前からエンドフィードシャトルを使わなかったのかと後悔する
・・・などなど、実際に使った人たちから大好評らしい。
そんなレビューを読んだら、この商品を猛烈に試してみたくなりました。
でも気になるのは、「咲きおり」でも使えるかどうか。
この「エンドフィードシャトル」は、「12インチ(30.48 cm)シャトル」と、「15インチ(38.1 cm)シャトル」の2種類あるそう。
「咲きおり」は横幅40cmまで織れるので、「30.48 cmのエンドフィードシャトル」は短すぎる。
「15インチ(38.1 cm)のエンドフィードシャトル」は長さ的にはいい感じ。でも、シャトルの高さ「1と1/4インチ(31.75 cm)」が問題。
だって「咲きおり」は、上糸と下糸の間隔が「2.5 cm」しかないから。もっと高さが低めのシャトルでないと、上糸と下糸の間で引っかかりながら進む感じになってしまい無理そう。
でも、「さをり織りのSAORI機」など、上糸と下糸の間の隙間が大きめの手織り機なら、これで織れば断然早く綺麗に織れるはず!
下のサイトで商品を見たり、買ったりできます:
【商品2】シャクトスピンドル社の「ダブルボビンボートシャトル(スリム)」(Schacht Boat Shuttle – 2 Bobbin, Slim) のサイズ
「商品1」のエンドフィードシャトル以外にも、それはそれは沢山の種類のボートシャトルをリサーチしまくりました。でも、「咲きおり」に使用するには背丈が高すぎます。咲きおりは、上糸と下糸の隙間サイズが2.5cmしかないために、引っかかってしまう感じ。
「全然ぴったりなシャトルが見つからないー!」と半分あきらめたくなってきた時・・・
ふと、ひらめきました!
「Schacht Boat Shuttle – 2 Bobbin, Slim」 なら使えるんじゃないかと!
上の写真を見てわかるように、このボートシャトル はボビン2つを入れて使うのです。
さをり織りのボートシャトル (舟形シャトル)との違い
さをり織りの教室で使っていたのは、ボビン1つを入れる通常タイプのボートシャトル(舟形シャトル)でした。
私は2〜3種類の毛糸を同時に1つのボビンに巻いて、いろんな色をミックスした横糸を作るのが好きでした:
この2−3種類の糸をミックスして横糸を作る方法は、細い糸を使うときには面白い色彩効果を生み出してくれます。
ただし、太めの毛糸で同じことをやろうとすると、ボビンが膨れ上がってしまいます。その結果、少量の毛糸しかボビンに巻けません。ボビンに少量の毛糸しか巻くことができないと、手織り中に何度も手を止めて、新しいボビンに糸を巻きつけなくてはいけないです。これは面倒。
また、伸縮しやすいウールの毛糸と、伸縮しないリネンの糸の2種類を、ボビン1つに巻きつけてボートシャトル で使う場合、布の両端にどちらか1つの糸だけ、「ボヨーン」と輪っか状に飛び出すことがあります。2種類の糸が同じ長さでボートシャトル から出てこないから、こうなります。
それらの問題を解決してくれるのが、ダブルボビンシャトルです。シャクトスピンドル社のサイトによると・・・
You can certainly wind 2 ends together on a bobbin, say if you want to blend colors together or double 2 fine threads for a thicker weft yarn. If you have done this, then you know that even though these ends have been wound together, they never unwind quite right. Often you get a little loop at the selvedge because the yarns are not feeding off the bobbin evenly. Not what you want.
出典:https://schachtspindle.com/double-the-bobbin-double-the-fun/
When you use a double-bobbin boat shuttle, you wind each yarn on separate bobbins that unwind separately and feed off more smoothly as single yarns (rather than a doubled yarn).
簡単に和訳すると・・・
「1つのボビンに2本の糸を巻きつける、通常のボートシャトル」よりも、「ダブルボビンボートシャトル を使って、2つのボビンにそれぞれ1本づつの糸を巻きつける」方が、糸が絡まらずにスムーズにボートシャトル から出てくる、のですね。その結果、布の両端に輪っか状の糸が飛び出すのを防げるわけです。
ダブルボビンシャトルの特徴
ダブルボビンシャトルは、ボビン2つを入れるスペースがあります。太めの毛糸を2種類組み合わせるときも、ボビンが膨れ上がることなく、沢山の量の毛糸をボビンに巻くことができそうです。
これなら、上糸と下糸の隙間が狭い「咲きおり」にも使えるかも!
シャクトスピンドル社の「ダブルボビンボートシャトル(スリム)」(Schacht Boat Shuttle – 2 Bobbin, Slim)は、メープル(かえで)の木で出来たシャトルです。下のリンクで商品を見たり買ったりできます:
上のダブルボートシャトル に合うボビンです
この「ダブルボビンボートシャトル(スリム)」(Schacht Boat Shuttle – 2 Bobbin, Slim)のスペックをよく見ると、シャトルの高さは良い感じです。
でも1つ気になる点が・・・
This shuttle is an open bottomed shuttle and takes the Schacht 4″ plastic bobbins.
出典:https://woolery.com/schacht-boat-shuttle-2-bobbin-slim.html?aff=132
「Open bottomed shuttle」ということは、つまり「ボートシャトルの底に、大きく穴が空いてる」のです。
木製の底板がないので、シャトルの重さが軽くなる利点があります。シャトルを手渡しで渡すのに向いているそうです。
でも、咲きおりのように「上糸と下糸の隙間が狭い手織り機」を使うとき、底板がないボートシャトルは、ボビンに巻いた毛糸と、上糸と下糸の毛糸がこすれ合う気がします。
底板があるタイプ(Closed bottomed shuttle)のダブルボートシャトルの 方が良いかも・・・と思い、まだまだリサーチを続けました。
【商品3】ブラスターベイ社の底板があるダブルボビンシャトル:「Bluster Bay 14″ Swedish double bobbin closed-bottom shuttle」
そしてついに見つけたのが、「Closed-bottom shuttle」(底板が閉じてるタイプのシャトル)というダブルボートシャトル「Bluster Bay 14″ Swedish double bobbin closed-bottom shuttle」です。
このシャトルなら、上糸と下糸の隙間を滑り台のように「シャーシャー」と飛ぶでしょう!そして、咲きおり機でこれを使えば絶対に早く織れる!
「これだー!」と思い、さっそく買ってみました。
届いたのが、これ!
おおおおおーー!!
ニンマリしちゃいました!(*´艸`) クスクス
「咲きおり」に、ぴったりのサイズ!「咲きおり」で手織りしても、スピードも格段に早く織れるようになりました!
苦労して、いろんなサイトをリサーチしたかいがありました!
\(●⌒∇⌒●)/ わーい
咲きおり付属のスティックシャトルと、ダブルボビンボートシャトル の比較
上のベージュ色が、咲きおりセットに付属で付いてきたスティックシャトル。2種類ついてきました。短かいシャトルは30cm、長いシャトルは41.5cmの長さ。上の写真に写ってるのは長い方のシャトルです。
咲きおり付属のスティックシャトルの特徴
咲きおりは、最大で横幅40cmまで織れます。横幅40cmで織る時は、41.5cmの長いシャトルの端を持ち、右から左へとシャトルを手渡しします。
スティックシャトルって、端っこが「カニのハサミ」みたいな形してるじゃないですか?だから織り機の右から左へシャトルを手渡しするとき、ソロソロと注意しながら慎重に手渡ししないといけないんです。そうでないと、この「カニのハサミ」に上糸や下糸を引っ掛けてしまい、縦糸がビヨーンと引っ張られてしまうの。
ダブルボビンシャトル「Bluster Bay 14″ Swedish double bobbin closed-bottom shuttle」の特徴
ダブルボビンシャトル「Bluster Bay 14″ Swedish double bobbin closed-bottom shuttle」の長さは35.56cm。
咲きおり付属の長いスティックシャトルは41.5cmでしょう。咲きおりで最大横幅40cm織る時に35.56cmのボートシャトル を使うと、あと4.5cmほどが短いから使いにくいかな〜と心配してましたが・・・。
そんな心配は無用でした。
このスティックシャトルは、咲きおりの下糸の上を「シャー、シャー!」と滑らかに滑り飛びます。ちょっと勢いをつけて右から左に飛ばすと、一瞬で向こう側にたどり着くので、手で受け止めるだけでいいの。
このダブルボビンシャトルを使い始めてから、咲きおりの手織りが格段に早くなりました。
Bluster Bay社のダブルボビンシャトル のすごいアイディア
ダブルボビンシャトル には2つのボビンが入るけど、このBluster Bay社の商品は1つのボビンだけを取り出すことも出来ます。ボビンを通す中心部分の金属製の棒が、2つ別々に仕組まれているからです。
他社のダブルボビンシャトルの中には、ボビンを通す中心部分の金属製の棒が、1つだけしか入ってないものもありました。
写真でパッと見ただけでは分からないかもしれないけど・・・。実際に使うときを想像してみて。2つのボビンの糸が全く同時になくなるってことはありえないのです。大体どっちか片方のボビンの糸が先になくなるわけ。
その時に、このボビンを通す中心部分の金属製の棒が1本しかなかったらどうなる?糸がなくなったボビンだけを取り出して、糸が満タンに巻いてあるボビンと取り替えたいだけなのに、結局両方のボビンをシャトル本体から取り出す羽目になります。
だから、この金属製の棒は2本仕込まれている機種を使った方が、絶対に仕事が早い。これは間違いない!
だから、もしBluster Bay社以外のダブルボビンシャトルを買うとしても、金属製の棒が2本仕込まれてるかどうかは、大事なチェックポイントです。
Bluster Bay社のダブルボビンシャトルは、どこで買ったの?
私は、ネットで、このダブルボビンシャトルをかなり探しました。
・・・というのも、このシャトルを作ってるのはアメリカの「Bluster Bay」という会社。個人向けには販売してくれません。小売店向けにしか販売されていません。
オーストラリアや日本の手織りショップで片っ端から探しましたが、「Bluster Bay」社の作る、「一般的なボートシャトル」か「エンドフィードシャトル」 しか置いてないところがほとんど。
上の2つのシャトルは、手織り愛好家の間ですごく有名だけど、それらと比べると「ダブルボビンシャトル」は、まだまだマイナーな存在なのかもしれません。
そして、結局、やっとのことで在庫を見つけたのが、アメリカのEtsyのショップでした。
アメリカのさをり作家「Cheryl Dunworth」さんの、「SAORIstyle」というショップから注文しました。
上のシャトルにぴったり合うボビンも買いました。
正式名は「ボビン」じゃなくて、Quill(クイル)と言います。Quillは紙製です。
私が買ったボートシャトルの素材:軽めの木材である「Walnut」(クルミ材)について
私が買ったシャトルはBluster Bay Woodworks社製です。アメリカのアイダホ州の手織り用のボートシャトルを専門に作る会社です。お値段は、他社のボートシャトルに比べるとちょっぴり高め。
でもお値段に見合うだけの、精巧で工夫あふれる作りの職人技の手作りシャトルです。英語圏の手織り作家さんたちが集まるコミュニティーでレビューを見たら、「値段は高いけど、いつか欲しい」という、みんなの憧れのシャトルのようです。
確かに他社のボートシャトルは、木材の素材まで選べません。だから、全部同じ重さになるわけです。
その点、Bluster Bay Woodworksは、手織り用のボートシャトル を作ることに特化した会社だけあって、「ボートシャトルを作る木材」も選べます。
使う木材によって、ボートシャトルの重さが変わります:http://blusterbaywoodworks.com/wood-choices-information/
上のサイトから、内容を引用すると:
<Light Weight>(軽い素材)
Tiger or Curly Maple
Tasmanian Blackwood
American Black Cherry
Black Walnut(←私が買ったシャトル。クルミ材です)<Medium Weight>(中ぐらいの重さの素材)
Rock Maple
Marbled White Ash
European Beech
Red Oak<Heavy Weight>(重めの素材)
African Wenge
出典:http://blusterbaywoodworks.com/wood-choices-information/
Amazique
African Bubinga
Purpleheart
Brazilian Cherry
私が買ったボートシャトルは、軽めの木材である「クルミ材」で出来ています。その特徴はこちら:
Black Walnut is another widely distributed hardwood of North America. The color is uniformly dark rich brown. The grain is usually straight, but occasionally shows patterns of waves, ripples, or curls. Walnut is similar to cherry in both weight and feel. The two woods are excellent choices when considering a pair of matched shuttles of different colors. Walnut takes an excellent hard, smooth finish.
出典:http://blusterbaywoodworks.com/wood-choices-information/
上の英文を簡単に和訳すると・・・
私がEtsyショップから購入した時はボートシャトルの木材が選べたので、私は軽めの木材「Walnuts(クルミ材)」を選びました。
「咲きおり」には、SAORI機のようなボートシャトルを「シャー!」とアイススケートのように滑らせる専用の木材の台がありません。
なので、「咲きおり」の上糸と下糸の隙間にボートシャトルをくぐらせて使うのです。正確には「下糸の上にボートシャトルを滑らせて使う」ので、重い素材だと縦糸がたるむ心配があるかもと思い、軽い木材のボートシャトルに決めました。実際に使ってみて、やはり軽い素材でよかったと思ってます。
今、Etsyショップを覗いたら、「Mable Ash」と「Walnuts」はすでに売り切れでした。残りは「Tiger Maple」が1つでした(2019年8月1日現在)。Bluster Bay Woodworks社のウエブサイトによると、「Tiger Maple(かえで)は、軽めの木材」のようです。
メープルは「かえで」の木で、こんな色でした(左から2番目)。メープルは白っぽい木なのですね:
ちなみに私のクルミ材は左から3番目。焦げ茶色です。
そしてクルミ材に重さ・質感が非常に似てるのが一番左の「桜」です。桜の木は可愛い赤茶色ですね。
まとめ
手織り機クロバー咲きおり(40cm)30羽セットを使って、もっと早く手織りしたいなら、アメリカ製のボートシャトル「Bluster Bay 14″ Swedish double bobbin closed-bottom shuttle」は、本当にオススメです!!
「咲きおり」付属のスティックシャトルで織るより、もっともっとスピーディーに手織りできます。
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では、楽しい手織りをどうぞー!
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